生ごみを庭に埋める方法のメリットと注意点を学ぶ
生ごみは、燃えるごみといっしょに回収に出す地域が多いですが、燃えるごみと分別するエリアもあります。いずれにせよ、ビニール袋に入れた生ごみは水分が多くて腐敗が進みやすく、家の中に置いておくと悪臭を放ち、扱いに困るものです。そこで、庭にスペースのゆとりがある家庭では、植木の肥料として活用したいという思いから、生ごみを庭に埋めるケースがあります。確かに、地中に埋められた生ごみを細菌や微生物が分解して、樹木を育てる栄養素を作り出すことは期待できるでしょう。
肥料を与えなくても樹木に栄養素を補給でき、肥料の購入費用を節約できます。庭に埋められる生ごみの量が増えれば、相対的に燃えるごみとして出す生ごみの量が減るので、夏場など生ごみが腐りやすい時期はごみ捨て場が臭くならずに済みます。しかし、生ごみを庭に埋める際は様々な問題が生じうるため、注意しなければなりません。
まず、地面をある程度深く掘らないと悪臭が地表に漂い出て、近所から苦情が来るでしょう。また、カラスやネズミといった害獣が地面を掘り起こし、生ごみを漁ることもあります。生ごみが付近の害獣を集める結果となり、ネズミなどが床下や天井裏に住み着いたら大変です。駆除業者を呼んで侵入口を塞いだり、荒らされた場所を消毒したりしなければなりません。駆除業者に支払う料金は、泊まりがけの家族旅行の費用に匹敵します。庭で生ごみを処分したい場合は、生ごみの分解や乾燥が可能な正規の家庭用生ごみ処理装置を設置した方が安心でしょう。
家庭用生ごみ処理装置に生ごみを入れて十分分解・乾燥してから、庭に埋めれば悪臭や害獣の問題は起きません。処理済みの生ごみは、直ちに堆肥として役立ちます。分解式の場合、自然の分解力に処理を任せるので多少時間がかかるでしょう。おが屑チップや発酵促進剤などと混ぜることも欠かせません。乾燥式だと、電気を使って生ごみをかき回し温風を当てるなどの人工的処理が必要です。分解式の装置は無音のため、屋外に設置してかまいませんが、電気式の処理装置は多少モーター音もしますので、近所の家屋から離れた屋内の設置が求められます。いずれにしても、生ごみ処理装置の購入費用を補助している自治体もあるため、役所などに相談することが望ましいでしょう。